税務ニュース 平成20年4月

今月のテーマ : 減価償却、逓増定期保険、定期同額給与、20年度税制改正


今月の掲載内容は以下の通りです。 ◆減価償却資産の償却方法変更に係る経過措置 ◆逓増定期保険の税務上の取り扱いの改正 ◆企業合併と定期同額給与 ◆20年度税制改正における企業関係租税特別措置期限切れについて 詳細は以下の通りです。 ◆減価償却資産の償却方法変更に係る経過措置 <内 容> 平成19年度税制改正では減価償却制度を大幅に見直し, いわゆる250%定率法の導入等を行いました。 3月決算法人の場合,まもなく到来する平成20年3月期決算で, この改正の適用を初めて受けることとなります。 ところで,3月決算法人が減価償却資産の償却方法を変更しようとする場合, 本則としては,変更しようとする事業年度開始日の前日までに変更承認申請を行わねばなりませんが( 法令52 ), この本則とは別に,"申告期限"までに一定の手続きを行えば, 平成20年3月期の償却方法を変更できるとする特例規定があるのでご留意ください。 というのも,減価償却制度の大幅な見直しを受け, 平成19年4月1日以後「最初に終了する事業年度」の償却方法を変更しようとする場合, すなわち,3月決算法人であれば平成20年3月期の償却方法を変更しようとする場合には, 平成20年3月期の申告期限である今年の5月31日までに所轄の税務署長に変更届出書を提出すれば, その提出をもって,償却方法の変更を承認する旨の経過措置を設けているからです(法令附則11B(平成19年))。 もっとも,今年の5月31日は土曜日に当たり,国税通則法では「日曜・祝日・その他一般の休日」等が申告期限日の場合には, 期間を延長し,これらの休日の翌日まで期限日を延長するとしているため( 通法10A , 通令2A ), 変更届出書の正確な提出期限は6月2日(月)となります。 また,申告書の提出期限を1ヶ月延長する特例の適用を受けた場合( 法法75の2 ), 申告期限は今年の6月30日(月)となりますが,これに伴って変更届出書の提出期限も6月30日(月)となります。 経過措置の規定では,変更届出書の提出期限を"申告期限"としかしていませんが, この申告期限の文言には,申告期限を延長した場合も含まれるということです。 なお,変更届出書の様式としては『減価償却資産の償却方法の変更承認申請書』を利用する点, 経過措置の適用を受ける際にはいわゆる"3年縛り"の適用はない点, 経過措置は平成19年4月1日以後最初終了事業年度に限定適用されるもので,それ以後は本則通り, 事業年度開始日の前日までに変更承認申請書を提出し承認を受ける必要がある点などにもご留意ください(参照 2968 , 2969号 )。                            〜税務通信No.3008号〜 ◆逓増定期保険の税務上の取り扱いの改正 <内 容> 国税庁はこのほど,逓増定期保険の保険料に対する税務上の取扱いの改正を行いました。 これは,昨年12月26日から今年1月31日までの間に募集されていたパブコメ( 3000 )を 受けて改正が行われたもので,今回,パブコメの結果と併せて新通達が公表されています。 新通達では,被保険者の契約満了時の年齢が45歳を超える内容の逓増定期保険は, 支払った保険料の2分の1〜4分の3の金額を資産計上しなければならないという取扱いとなっており, 改正前の取扱いよりも損金算入の範囲が縮少された内容へと改められています。 なお,新通達は平成20年2月28日以後に新たに契約された逓増定期保険が対象であるため, 同日以前に契約されたものについて遡って適用されることはありません。 〜税務通信No.3008号〜 ◆企業合併と定期同額給与 <内 容> 近年,グループ子会社の整理や企業価値を高めること等を目的として, 合併を行なう企業が多くみられます。ところで,平成18年4月以降に企業間で合併が行なわれ, 被合併法人の役員が合併法人の役員に就任した場合, その役員に対する役員給与が法人税法の定期同額給与の制度上どのように取扱われるのか気にする向きもあるようです。 特に,共同事業を行なっていた企業間で合併が行なわれ, 合併法人が被合併法人の役員を受け入れた場合,その役員の合併前と合併後の給与の金額が異なると, 定期同額給与の制度上,役員給与の金額を期中に増額又は減額したものと扱われるのか危惧するケースもみられるようです。 この点について法人税法上では,共同事業を行なっていた企業間で合併が行なわれた場合や, グループ関連会社間で合併が行われた場合であっても,"職務執行の対価を支払った企業ごと"に 事業年度中に支払った給与が定期同額給与に該当するか否かを判断することとなるようです。 例えば,A社の役員である甲はこれまでA社から毎月80万円の役員給与を受けていましたが, A社がB社に吸収合併されたことに伴い,B社の役員に新たに就任しB社から役員給与として 毎月100万円が支給されることとなった場合には,法人税法上, 事業年度中の報酬規定の増額改定には当たらないことから定期同額給与として全額損金に算入されることとなります。 逆に,合併に伴いB社から支払われる役員給与の額が50万円に減額された場合についても, 期中の減額とはならないことから定期同額給与となります。 ~税務通信No.3009号~ ◆20年度税制改正における企業関係租税特別措置期限切れについて <内容> 周知のように,20年度税制改正のうち,国税では,登記に関する登免税や債券現先取引の利子非課税等の 一部租税特別措置は去る3月31日に成立したいわゆる"つなぎ法"によってその適用期限が5月末日まで延長されました。 しかし,その一方では,税制改正法案本体が未成立であるところから,ガソリン税のみならず, 交際費等の損金不算入制度をはじめ,試験研究費の税額控除の特例,中小企業者等の少額減価償却資産の 取得価額の損金算入の特例等々,その適用期限が本年3月31日までとされていた各種租税特別措置が この4月1日から適用期限切れとなる極めて異例の事態に突入しています。 これは地方税についても同様で,同税では無償減資等に係る資本割の特例や 各種不動産取得税の特例が期限切れ状態となっています。 この状況は,国税,地方税ともに,平成20年度税制改正法案本体が国会成立するまで続くことになります。 この点,額賀財務相は4月1日の会見で減税項目の遡及適用を示唆していますが, 特例には様々な項目もあるだけに,法案成立後の適用関係にも十分な注意が必要となります。 ~税務通信No.3012号~
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