税務ニュース 平成19年10月
今月のテーマ : 退職金、減価償却、ソフトウエア
今月の掲載内容は以下の通りです。
◆ 地位変更による一時金は退職所得に
◆ 仮決算による中間申告は定率法の償却率に注意
◆ 事業年度が1 年に満たない法人の償却限度額計算の特例
◆ ソフトウエアに対する資本的支出も新規取得が原則
詳細は以下の通りです。
◆地位変更による一時金は退職所得に
<使用人から執行社員への変更>
先日の所得税基本通達の改正により、30-2 の2 が新しく定められ、
使用人が執行役員に選任された際に支給を受ける一時金の取扱いが明確にされました。
通達では、退職所得に該当するための2 つの要件を設け、
そのいずれにも該当する執行役員制度において支払われる一時金は退職所得等に該当すると定めています。
<取締役から執行社員への変更>
取締役から執行役員へ地位の変更については、取締役の退職として一時金が支給されることようですが、
その一時金が取締役としての職務にだけ対応していることを前提として、原則的には退職所得として取り扱われます。
取締役から執行役員への身分の変更は、会社法上の地位の変動があることから取締役の退職とみることができ、
一時金は退職所得として認められます。ただし、あらかじめ役員の退職金規程があることが重要であり、
この地位変更が繰返される場合は一概に退職所得とは判定しないこともありますので注意が必要です。
◆仮決算による中間申告は定率法の償却率に注意
<償却率及び改定償却率>
従来から中間決算に係る減価償却資産の償却費の計算については、「事業年度が1 年に満たない場合」の規定に従うこととされているが、
平成19 年度税制改正により、旧定率法採用資産については従来通りですが、新定率法採用資産については、
償却率及び改定償却率について、耐用年数省令別表10 に掲げられた償却率2 分の1 の率を用いることとされました。
一方で、定額法への切り替えの判定については、別表10 に掲げられた償却率をそのまま用いることとされていますので、
併せて確認しておく必要があります。
<定率法の特定事業年度の判定>
定率法については、特定事業年度において定額法による償却に切替える事とされていますが、この点についても、改正耐用年数通達では、
特定事業年度を判定するための保証率について、別表10 記載の保証率をそのまま使用する旨が、
また、償却保証額に満たないこととなるか否かの判定する金額については、
事業年度の月数で按分する前の金額(調整前償却額)を用いることが明らかとされています。(耐通5-1-1(1)の注)
◆事業年度が1 年に満たない法人の償却限度額計算の特例
<内 容>
19 年度の減価償却制度の改正に対応した通達改正では、定率法を採用した資産について
「事業年度が1 年に満たない場合の償却限度額の計算の特例」(基通7-4-2 の3)が設けられていますが、
これは、半年決算法人等の事業年度が1 年に満たない法人が、規定に従った償却率を用いて、原則とおりの償却限度額の計算を行うと、
耐用年数を経過しても1 円まで償却できないケースがあるため、事業年度が1 年に満たない場合であっても、
1 年決算法人とほぼ同様の償却限度額計算を行うことができるよう配慮されたものであります。
◆ソフトウエアに対する資本的支出も新規取得が原則
<内 容>
19 年度の減価償却制度の見直しにおいて、残存価格なしとされていますソフトウエア等の無形固定資産については、
基本的に見直しはされていませんが、資本的支出については、改正法の施行により、新規取得が原則とされ、
平成19 年3 月31 日以前に取得された無形固定資産に対する資本的支出については、取得価額への加算ができる特例が適用できる一方、
資本的支出を行った翌事業年度における本体帳簿価額との合算特例等については、定率法採用資産のみが対象となるため、
適用がない点においては注意が必要です。