税務ニュース 平成19年7月
今月のテーマ : 分割基準、減価償却
今月の掲載内容は以下の通りです。
◆ 法人事業税分割基準の留意点
◆ 5年均等償却で生じた端数は5 年目に調整しても実務上は問題無し
◆ 減価償却ソフトの改良費用
詳細は以下の通りです。
◆法人事業税分割基準の留意点
<内 容>
法人事業税は,事業所や工場等が所在する都道府県に納める地方税だが,
法人の事業所等が二以上の都道府県に設けられているときは,
事業税の金額を各都道府県に存する事業所数や従業員数に応じて分割し,
それぞれの都道府県に納付する仕組みとなっているが、
この分割基準の計算を誤る事例が多くみられるので注意が必要である。
<事 例>
・平成17 年度地方税法改正で大幅に改正された取扱いを失念していたケースが多く,
非製造業は課税標準額を2 分の1 にして「従業者数」と「事業所数」で按分しなければならないところ,
誤って「従業者数」のみで分割していた事例
・資本金1 億円以上の法人の本社管理部門の2 分の1 圧縮措置(割り落とし)が廃止されているにも関わらず誤って適用していた事例
・1 年を通じて都道府県に事業所を有していた場合,事業所数は「12」として計算する仕組みとなっているが,
誤って事業所数を「1」として申告してしまった事例
<留意点>
分割基準を誤って申告又は納付をしてしまった場合,修正申告書等を各事業所所在地の都道府県へ届出なければならない。
また,分割基準の計算の誤りによって,納付税額に不足額がある場合には,延滞金が加算されることとなるのでくれぐれも留意したい
◆5 年均等償却で生じた端数は5 年目に調整しても実務上は問題無し
<内 容>
平成19 年税制改正で、平成19 年3 月末までに取得した減価償却資産について、取得価額の95%まで償却額が達した場合には、
翌事業年度から残りの5%未償却額を、5 年間において均等償却することができる(法令61 条A)。
だが5 年均等償却は備忘価額(1円)の影響から、どうしても償却5 年目の期末に未償却額が数円生じるケースが非常に多いため、
この端数を6年目でわざわざ償却するか、疑問に思うところである。
しかし、従前より一括償却資産の損金算入制度などでも端数が生じるケースがあり、多くの企業において、
これを最終事業年度において調整を行っていたが、その調整について問題はなかった。
したがって、5 年均等償却の場合においても、1 つの資産で生じる未償却額が、せいぜい数円であることから、
公正妥当と認められる会計処理を行い、すべての資産で同一の処理をしていれば、
5 年目の期末に端数処理を行っていても税務調査等で問題は生じることはなさそうである。
◆減価償却ソフトの改良費用
<内 容>
平成19 年度改正により、減価償却制度の大幅な改正が行われ、これに伴う既存の会計ソフトのバージョンアップ(修正)費用が、
法人税法上、資本的支出として資産計上する必要があるのか、それとも修繕費として損金に算入することができるかという点だが、
単純に平成19 年度改正に対応したものへのバージョンアップなら、修繕費として全額を損金に算入しても問題はなさそうである。
これは、既に使用しているソフトウエアの効用を維持するために行われるものであり、
新たなソフトウエアの設備投資等とは性格が異なるためだ。ただし、バージョンアップに伴い別の機能を新たに付加した場合には、
その部分は資本的支出として資産計上をしなければならないので注意が必要だ。
とはいうものの、バージョンアップ費用が20 万円未満なら、
法人税法上、内容を確認するまでもなく単純に全額を損金に算入することが可能である(基7-8-3)。