税務ニュース 平成19年4月

今月のテーマ : 減価償却制度、役員給与、役員退職給与、試験研究費


今月の掲載内容は以下の通りです。 ◆ 減価償却制度 ◆ 役員給与(定期同額・事前確定届出給与) ◆ 役員退職給与 ◆ 税法上の繰延資産と試験研究費 詳細は以下の通りです。 ◆減価償却制度  <内 容> ・250%定率法等に係る償却率・改正償却率・補償率が耐用年数省令別表10として明らかに 平成19年度税制改正関連法が平成19年3月23日に成立、3月30日に関係政省令とともに公布され、減価償却制度の詳細が明らかとなりました。 (1)平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産の償却方法 @ 定額法(法人税法施行令48の2@一) 償却限度額=取得価額×定額法の新償却率(別表10) A 定率法(法人税法施行令48の2@ロ,D) ・切替前の償却限度額 償却限度額=(取得価額―既償却額)×定率法の新償却率(別表10) ・切替後の償却限度額 上記、(取得価額―既償却額)×定率法の新償却率(別表10)が 「償却保障額」(取得価額×保障率(別表10)を下回った事業年度から以下の算式による定額法に切り替えることになります。 償却限度額=改定取得価額(注1)×改定償却率(別表10) (注1)改定取得価額=取得価額−既償却額 (2)平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産の償却方法 @ 償却限度額に達する前の既存資産 改正法人税法施行令の第48条に規定され、各償却方法に係る償却率は改正耐用年数省令別表9に掲げられた「旧償却率」を用いることになります。 A 償却限度額に達した既存資産(前事業年度までの償却額の累計額が取得価額の100分の95に達している場合)  以下の算式により計算した金額を償却限度額とみなすと規定されています。       償却限度額=取得価額の5%相当額(注1)×事業年度の月数/ 60 (注1)取得価額の5%相当額=取得価額−(取得価額×95%+1円(備忘価額) ・資本的支出の取扱い 資本的支出の金額を本体と切り離して新規取得資産とする(減価償却資産の種類・耐用年数は本体と同じ)のが原則とされていますが、 以下の取り扱いも認められます。 (1)平成19年4月1日以後に取得した減価償却資産についての資本的支出 @ 本体と新規取得とされる資本的支出について新定率法を採用している場合には、 資本的支出を行った事業年度の翌事業年度開始時において本体の帳簿価額と資本的支出の合計額を取得価額とする 一の減価償却資産を新規取得したものとすることができる。 A 新規取得とされる資本的支出について新定率法を採用している場合で@の適用を受けない場合には、 資本的支出を行った事業年度の翌事業年度開始の時において、資本的支出の金額の合計額について、 種類・耐用年数を同じくする一の減価償却資産として新規取得したものとすることができる。     (2)平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産についての資本的支出 改正前と同様、資本的支出の額を本体の取得価額に加算することができる。 ・平成19年3 月31日以前に取得した既存資産が償却可能限度額に達し、 5年均等償却を開始した以降に資本的支出を行った場合の取り扱い 償却可能限度額に達した既存資産の本体の取得価額に資本的支出の金額を加算した場合には、 資本的支出の金額によっては、償却累計額が取得価額の100分の95に達していないこととなり、 本体の償却方法による償却を行った上で、 償却可能限度額に達した事業年度の翌事業年度から5年間で均等償却を行うことになる場合もあるので注意が必要となります。 以上のとおり、今回の改正により施行日前に取得した資産と施行日後に取得した資産を区別して管理する必要がある点や、 資本的支出の処理については、納税者側に複数の選択肢が与えられている点に留意する必要があります。 ◆役員給与(定期同額・事前確定届出給与) <内 容> ・定期同額給与の改正 役員給与の定期同額給与の改定について、平成18年度改正において、 「3月経過日までの改定」、「業績悪化改定」について規定されていましたが、新たに平成19年度改正により「臨時改定」が定められました。 これらの改定に該当し、改定前後のそれぞれの支給額が同額であるものについては、定期同額給与に該当すると規定されています。 また、「臨時改定」とは、役員の職制上の地位の変更、職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情にされた改定をいいます。   ・事前確定届出給与の改正 事前確定届出給与については、その届出期限が、株主総会、社員総会又はこれらに準ずるものにより、 役員の職務の定めを決議した日から1月を経過する日までと改められました。 また、定期同額給与と同様に「臨時改定事由」と「業績悪化改定事由」が認められることとなり、届出の変更が可能となりました。 これらの届出期限は以下の通りとなります。 「臨時確定事由」とは、法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これに類するやむを得ない事情をいい、 その事由が生じた日から1月を経過する日が届出期限となります。 「業績悪化改定事由」とは、事業年度においてその法人の経営の状況が著しく悪化したことその他これらに類するやむを得ない事情をいい、 その事由が生じた日から1月を経過する日が提出期限となります。 ◆役員退職給与 <内 容> 平成18年度の法人税関係法令の改正により役員退職給与の損金算入にかかる「損金経理要件」が廃止され、 3月に公表された法人税基本通達の一部改正において、役員退職給与の損金算入の原則的な取り扱いが見直されました。 役員退職金の損金算入時期は以下の通りとなります。 原則:株主総会の決議等により役員退職給与の額が具体的に確定した日の属する事業年度 (経理方法が未払いであっても仮払いであっても損金算入可能) 特例:法人がその退職給与の額を支払った日の属する事業年度においてその支払った額につき損金経理をした場合 (未払い、仮払いは損金算入不可能) ◆税法上の繰延資産と試験研究費 <内 容>  平成19年度税制改正に伴い試験研究費は、会計上の取り扱いが整理されたことに対応し、 税法上の繰延資産の範囲から除かれ従前のように任意償却が認められなくなりました。 今後は、「研究開発費当に係る会計基準」の研究開発に含まれ即時償却することとなりました。  また、税法上は平成19年4月1日以後に支出する試験研究費から即時償却することとなるので注意が必要となります。
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